忙しいアピールが…婚活アプリで詐欺未遂に遭った女性 違和感を抱いたポイント6つ

 マッチングアプリを使った婚活が定番化しつつある現在、国民生活センターは「詐欺的な賭け事や投資などの海外サイトに勧誘する手口が目立っている」と注意喚起しています。また、直接金銭を詐取しようとするケースも多いようです。ここでは、後者の被害に遭いかけた40代女性ライターの体験談をお届けします。最終回の今回は、徐々に本性を現した相手の“謎深い行動”と、経験を踏まえて「なぜ騙されてしまうのか?」を分析しました。

学歴詐称疑惑が深まる言動の数々 「やはり変だ」と確信へ

 そしてついに2回目のデート。麻布十番に私服で現れた男性は、はぁはぁと息を切らせながら走ってやってきました。服装はボタンが欠けたピーコートにチノパン。素足に履いたモカシンは紺色のUGGです。

 食事をした店ではまるで常連のように振る舞い、「会社のアシスタントもよく来ている」と、店員にもやたら話しかけていました。しかし、なぜかコースで出てきたティラミスでは足りずにもう1個追加注文。さらに、最後のコーヒーについてきた角砂糖をカバンに入れて持ち帰るのです。

 極めつけは帰り道。男性はローソンを見つけると、「あ、『ローション』だ! ここって三菱商事が物流をやってるんだ。セブンは伊藤忠。で、僕はね『ローソン』のことを『ローション』って呼んでるんだけど、そう言うとアシスタントに『ローションじゃなくてロブション連れてってください』って言われるんだ」と得意げに話してきました。

 中年男性が「ローション」という単語を往来で口にするとは、下品極まりない……。さらに「名刺入れにブランド物は使わないんだよ。取引先に対しては謙虚でいなきゃいけないからね」と変な自慢も。

 ノーブランドっぽく見せて、実は高級ブランドっていうのがおしゃれですけど。おしゃれな人は言い訳しないし。

 そうしたいくつもの疑問は、「やはり変だ」という確信に変わるばかり。そして、収入があるはずなのに1回目も2回目もお会計は割り勘で、端数の数百円を払ってくれるだけ。「こっちはあなたの年収の半分もいかないんだからおごっても良くない?」と疑問を感じました。そして、自分のことを棚に上げ、この男性が結婚できない理由を考えたりも。

 にしても、「こんな人と2回目でお泊まりするなんてまずない」と思いました。デートの設定で週末を避けたことは正解だったようです。

 そんなこんなで疑問に感じつつ、3回目のデートを約束することに。次は土曜日の夕方。もしかしたらもしかすることもあるかも……な時間帯だけに、どんな風に迫られるのか気になってもいました。

 男性が忙しいということで、今度は私が予約を担当。場所の候補を3つ出してAにしたのですが、連絡をすると「Bと場所を間違えた」と言い出しました。そこで、冗談混じりで返したところなぜか激怒。場所を間違ったのはあちらなのに、「とにかく帰る」など怒涛の逆ギレやいきなり下品なメッセージが続いて驚きました。

 疑惑は持ちつつも、せっかく見つけたハイスペ男子。情緒不安定なところも独身の理由かなと思いつつ、「これでご縁が途絶えるのもなぁ」と、なぜか私から謝罪のメッセージを送りました。

「いずれにしろ、この人とはご縁はないな」と確信していたのですが、翌日の午後5時頃には機嫌が直ったのか、さらりと連絡が。そしてここからは突然本性を現し、驚くほど雑な方法で詐欺を仕掛けてきました。

空港から突然の「SOS」 航空券代を立て替えてほしいと連絡が

「もう大丈夫です」と、あんなに怒っていた彼から返事が来たので、私もとりあえず返信。すると、同6時30分頃に羽田空港から“SOSメッセージ”が届きました。沖縄行きの最終便に搭乗する予定が財布を忘れたため、「コンビニで立て替えてもらえないか」と言うのです。

 事前に往復チケットを手配してないなんてあり得ないし、そもそもカードもなくて出張先で何ができる? 「あとでお礼をします」と言ってきましたが、食事すら割り勘なのにお礼なんて期待できません。

 ところがさらに、「コンビニ払いしてくれると間に合うらしい」と沖縄便(片道)予約番号のスクリーンショットが送られてきました。「軍の仕事」だから、その日のうちに行かないとヤバイと続ける男性。

 航空会社に問い合わせてみると予約は存在していて、片道の料金は6万4000円。コンビニから振り込むと航空券が発券されるので、それをキャンセルして換金するのだと分かりました。変な言いがかりをつけて3回目のデートをドタキャンしたのは、これ以上出費しないための策だったのかもしれません。

 すかさず私は“バレてますよ”と言わんばかりに「じゃあ、(男性の)会社の先輩に聞いてみますね」と返したのですが、相手は動じません。

 そのままお願いを無視していたら、翌日早朝6時から「連絡がほしい」という内容のLINEが連打されていました。すかさず「昨日あのあと、会社でコロナ出ちゃって、私もホテルに監禁状態なんです」と返信。

 ところが、助けを求める連絡は昼になっても続き「クレジットカードの画像を送ってほしい」などと要求はエスカレートしてきます。私は「息が苦しくなって味覚が変……」と返し、フェードアウトしました。

 すると、午後3時過ぎに新型コロナ感染を心配するメッセージが届き、さらに同7時過ぎには「恋人候補として考えてましたが、非協力的なのでもう二度と連絡しません」と連絡が。私は「ありがとうございまーす!!」と心の中で喜びました。

男性に違和感を抱いた6つの理由 なぜ騙されるのか?

 この男性に違和感を抱いた理由は6つあります。

  1. 某名門大学らしくない育ちの悪さ
  2. 仕事の内容を盛りすぎ
  3. 仕事忙しいアピールがウザイ
  4. 話がネットニュースの受け売り
  5. 服装や持ち物が高価ではない理由を言い訳する
  6. 食事が割り勘かつ、恩着せがましい

 こうやってまとめてみると、こんなの詐欺だってすぐバレると思いますよね?

 ところがこっちは、婚活というゴールの見えないマラソンをひたすら走っている状態。頭がバグっているんです。緊急事態宣言のため、人と会えない、話せない。あまりの孤独に「どうにか結婚せねば」と焦っているので、婚活脳は小さな違和感を一生懸命ポジティブに書き換えてしまうのです。

 いい歳して婚活していると、「恥ずかしくて友達にも言いにくい……」という女性も多いと思います。1人悶々と考えるので、「相手はお金持ちだし、そのうち回収できる」と期待してしまう。

 コロナは独身にとって、負のスパイラルを招くものなのかもしれません。「コロナ婚」した人たちの中には、早くも「コロナ離婚」に向かっているケースもあるとか……。急いで結婚しても、リリースしては疲れが残るだけです。

 同じバツナシ未婚の皆さん、“ちょっとした”違和感が実は“相当な”違和感だったりすると心して婚活した方が良さそうです。そして、周囲でヤバそうな女子を見つけたら、振り込め詐欺に引っかかりそうな年配の方同様、全力で止めてあげてください。“負け犬女子”からのお願いです。

引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/93266e73febe461d410a852ea56afb232a85fd81

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です