結婚相手との「偶然の出会い」を期待する人が犯している「致命的な勘違い」
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「やっぱり、自然な出会いがいい」
婚活相談に乗る中で、何度も耳にしてきた声だ。確かに……と、長年恋愛・婚活相談に乗ってきた私も、共感する面がある。
マッチングアプリで「いいね!」を押し、相互に「いいね!」した相手とメッセージのやりとりをする。それからデートの約束を取り付け、出会う。この繰り返しは確かに機械的だ。いわゆる「偶然出会って、恋をして、そのまま付き合って結婚」という流れとは、大いに異なる。
よく聞く「婚活疲れ」の正体
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リクルートブライダル総研調べの婚活実態調査2021によると、2020年に成婚した人のうち、婚活サービスの経験者は33.1%まで増加。特に新型コロナウイルスが流行してからは、街中へふらっと繰り出す機会も減り、偶然の出会いもずいぶんと減った。いまや、マッチングアプリを始めとした婚活サービスの利用は、ごく当たり前のものだ。
ではそのマッチングアプリ、いったいどのような仕組みなのか。まず、あなたが会員登録をすると、ずらりと「恋人候補」が並ぶ。あなたはその候補を見ながら、ちょっと気になる相手へ「いいね!」ボタンを押す。お互いに「いいね!」を押し合うと、メッセージのやりとりが可能になる。アプリによっては、メッセージのやりとりが有料になる……という仕組みだ。
そして、大半のマッチングアプリにおいて、女性ユーザーは、男性から多数の「いいね!」を受け取る。そのため、次第に大量のメッセージに返信するのが苦痛となる「婚活疲れ」を引き起こしやすい。
筆者の例だと、登録して100、200以上の「いいね!」をいただいたことがある。ありがたい話だが、100人と同時にメッセージをやりとりするのは現実的ではない。悩みに悩んでから、5人ほどと話をするのが限界だろう。5人と毎日連絡するだけでも、いつしか「仕事のメール」のような、作業感が生まれてどっと疲れる。
男性は逆に、「いいね!」を送っても女性からの反応がなかなかもらえない。先程述べたとおり、女性は大量の「いいね!」の送り主の中から数人の男性を選別せざるを得ないからだ。人生で100人、200人にアプローチして、そのうち1名から連絡が来るかどうか……という経験など、大半の男性はしたことがない。そのため、男性は「振られ疲れ」を起こしやすい。
実際、恋愛婚活ラボ調べによると男性の43.7%が「理想の相手とマッチングしない(出会えない)」という悩みを抱え、女性は56.4%が「メッセージを返信するのが面倒」と回答している。さらに、デートにこぎつけても女性の3割は楽しめていないのだという。
不毛な出会いの連続に、婚活=苦行と捉える男女が少なくないことがわかる。そして、婚活疲れを経験し、あるいは周囲の婚活疲れの苦労を聞きながら「ああ、婚活を意識しない自然な出会いがいいなあ」と思うのは、ごく当然のことだ。