「就職したばかりの女性たち」突然婚活に走る事情

コロナ禍で就職した女性たちが抱える不安

大企業に就職して順風満帆なはずの社会人1、2年生が婚活に走る背景には何があるのでしょうか

結婚相談所の経営者として婚活現場の第一線に立つ筆者が、急激に変わっている日本の婚活事情について解説する本連載。今、コロナ禍で就職した社会人1年生、2年生の女性の仕事観と結婚観が大きく変わっています。働き方と生活スタイルが一変したことで、「早く結婚したい」と考える人が出てきているようです。

仕事の意義が見いだせず「婚活しよう」

近年、「寿退社」という価値観は過去のものとされてきましたが、ここへきて社会人1年生、2年生の女性たちが、「結婚して退職したい」と結婚相談所を訪れるようになっています。昭和の価値観に戻ってしまっているのです。実際に、私どものところにも20代前半の女性のご相談が、コロナ前と比べて3割ほど増えています。

2020年4月に入社した社会人2年生は、会社に1カ月も行かないうちにリモートワークになってしまいました。その直前まで普通に学校に通っていたのに、社会に出た途端、自宅にこもって仕事をすることになってしまったのです。

2021年4月入社の社会人1年生に至っては、就職活動もリモート面接というケースが少なくない。一度もオフィスを見たことがないまま入社ということも。せっかく大きなビルの一流企業に入っても、「私はここで働くんだ」と誇りを持つ機会がありません。

仕事に抱いていた理想と現実がまったく違う。上司に会わない、同僚にも会わない。上司を見て「格好いいな」「ああいうふうに私もなりたい」と憧れを抱くこともない。仕事に対して「今度はあの部署に行ってみたいな」といった目標も持ちにくい。愛社精神が生まれない。仕事の意義が見出せない、仕事への意欲がわかない……。そこで「そうだ、婚活しよう」と思い立つようです。

ある社会人2年生の女性・美奈さん(仮名)。有名私大在学中に会計士の資格を取得し、卒業して大手会計事務所に入社しました。ところが、入ってまもなくリモートワークに。

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