女性が「またこの人と話がしたい、会いたいと」思うのはどんな男性?

「BAR BOSSA」(バール・ボッサ)のマスターにして作家の林伸次さん

現代における「モテ」の意味と意義を探る連載「モテ解体新処」。第5回目のゲストは「ワイングラスの向こう側」(cakes)でおなじみ、奥渋谷のバー「BAR BOSSA」(バール・ボッサ)のマスターにして作家の林伸次さんの登場です。お客さんを始め日々多くの人々から恋愛ネタを集め、その相談にも乗っている林さんに現代恋愛事情についてお聞きしました。

最近の男性は仕事相手の女性と来店することがなくなりました

ある外資系の大手企業では、隣の席の人が既婚かどうかも知らない、プライベートな話はしないのが社内のセオリーなんだそう。

── 林さんの著書である『大人の条件』(産業編集センター)でも触れられていますが、最近の特に若い人々の間では「恋愛はもう古い」という声が多いとか。生涯恋愛体質のLEONとしては、聞き捨てならないお話なのですが(笑)、実際のところ、現在の若者世代の恋愛事情ってどんな感じなのでしょうか。

林さん(以下、敬称略) よく来店してくれるお客さんの中に、 20代の男性2人組がいます。どちらもイケメンで、勤務先も大手広告代理店、大手通信系会社とどう見てもモテそうなんですが、彼らは、「恋愛にがっついてないのがオシャレ」という感覚を持っているようなんです。

インターネットでは、今も合コンやナンパで”恋愛工学を使って女性を落とす”とか、マッチングアプリで“こうしたら上手くいく”みたいなハウツーは流行っていますが、その潮流に乗るのは「ダサい」と。どうやら今のイケてる若い男性の感覚としては、それが主流ですね。
── 確かにいまどきのジェンダー感覚から言っても“手練手管で女性を口説く”、というのはイメージが悪いですよね。

林 インターネットによって、そういう悪さが可視化されているのも一因かもしれません。彼らの会社では、発注する側とされる側の立場を弁えるように教育されているとも聞きました。それもあり、例えば仕事を通じて仲良くなった女性を、食事や飲みに誘いたくても、相手が発注される側の場合、関係が拗れたときにパワハラやセクハラの問題に発展するかと思うと、簡単には誘う気持ちになれないと。

うちのお客さんには、開店当初から代理店や編集者といった「クリエイターに発注する側」の男性が多いんですが、最近は仕事相手の女性と来店することがなくなりました。ここ何年かでいろんな事件が発覚してから、企業がコンプライアンスに厳しく、過敏になっているんでしょう。

ある外資系の大手企業では、規則として明文化はされていなくても、隣の席の人が既婚かどうかも知らない、プライベートな話はしないのが社内のセオリーなんだそうです。立場的に上の人が下の人を飲みに誘ってもいけない。だから職場で恋愛なんてとてもできないって。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です