44歳・大学准教授が「婚活」にハマってわかった、婚活市場の「見えない歪み」

同じ年代なら高収入が、同じ年収なら容姿が優れていたり、趣味が一致していることが、女性から高付加価値とみなされ、比較優位を得て女性を「選べる」立場に立つことが出来るかもしれません。

いわば、婚活市場で可視化されるスペックをもとに、「自分の比較優位を際立たせていくニッチをどう発見し、自分に有利な出会いを獲得していくのか」という点に、男女それぞれの婚活戦略は集約されていくのではないでしょうか。

婚活市場そのものの再設計が必要

ただ、現実に男性は婚活市場の持つ力学を女性ほどうまく婚活戦略に昇華できず、「女性嫌悪」にすら陥り始めているという声が婚活男性の間に溢れつつあります。これは、婚活市場という場の設計=婚活支援企業のサービスの設計が、やや女性側に有利 で、男性が利用しづらい仕様になっているというのが、様々な「フラれ」方をした私の実感です。

例えば、婚活パーティーで、収入や職業面で細かな条件が設定されるのは男性側であり、女性側は年齢のみが参加条件にされている場合がほとんどです。男性の収入と同程度の年収や専門的な職種などが、女性に求められるケースはほとんどありません。

そのためハイスペックであることが男性側の参加条件となる婚活パーティーは、婚活女性にとって「高級魚だけが選りすぐられた生簀」のようなもので、好きな魚を自由に選ぶ権利を与えられているも同じです。多くの男性は、自分磨きをしつつ「選んでもらう」ことを待つしかない状態に置かれているとも言えます。

婚活市場という状況を利用して婚活女性が、どのような婚活戦略を駆使しているか、構造的に不利な状態に置かれた男性はどのような現実に迫られているのか。 この問題を解決するために、婚活支援企業はどのようなサービスの再設計が必要なのか。この点については、拙著『婚活戦略:商品化される男女と市場の力学』(中央経済社)をご一読いただければ幸いです。

引用元:https://gendai.ismedia.jp/articles/-/88828

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