女性はバカにされ、男性はフラれ…「婚活疲れ」に悩む男女が増えているワケ

 年収800万円、35歳独身男性。婚活では「ハイスペック」と言われる、トップ数%の年収を持つグループだ。ところが、この男性は婚活に悩みを抱えていた。というのも、男性は恋愛経験が少なく、デートの作法を知らなかったからだ。

 男性は年収さえあれば、結婚できる。そんな夢は、婚活市場から消えようとしている。

バカにされる女性、音信不通で振られる男性

 「これって、私バカにされてますよね!?」

 ある女性から、恋愛相談をいただいた。彼女は婚活中の30代女性。マッチングアプリで知り合った男性に、大衆系居酒屋へ連れて行かれたことに激怒していた。

 ところが、相談を受けた地域はちょっとした地方都市。こじゃれた個人店は数が少なく、友達同士でもチェーン系居酒屋に行くのは当たり前だ。その状況を踏まえると、大衆系居酒屋での初デートは不思議でも何でもない。

 しかし、彼女の前提には「デートたるもの、こじゃれたお店へ行くべし」という前提があった。それを崩されたことで、自分はまっとうに扱われていないという怒りを抱いたのだ。女性は怒りのあまり、LINEで男性をブロックした。

 これは、よく見られる婚活のワンシーンである。

男女どちらも「婚活沼」に落ちやすい

 ここで想像してほしい。あなたは婚活女性だ。結婚相談所に登録すると、月に5~8人程度のお相手候補を紹介してもらえる。ところが、いざデートしようと思うと、年収は誰もが似たりよったり。というのも、男性はある程度の年収がなければ結婚相談所へ登録できないからだ。

 そこで、一番見栄えのいい職業の男性と出会ってみる。ところが、男性は自分の話をするばかりで、こちらの話をひとつも聞いてくれなかった。仕事の自慢ばかりを聞かされ、キャバ嬢のような相槌を打ちながら「どうしてこんなことに……」と落胆して帰路へつく。そして、その男性を相談所経由でお断りする。

 男性は「出会っても振られる」、女性は「出会っても話が合わない」として、なかなか進展しない婚活の苦労。株式会社Parasolの調査では、オンライン婚活においても似たようなデータが出ている。

 婚活を始める前の男性が誤解しがちなのは、男性はある程度年収や肩書があれば結婚できる……という考えだ。確かに、男性の年収と既婚率は相関する。だが、婚活という場所においては、ある程度の年収(400万円~)が前提とされている傾向にある。だから、年収500~700万円の世間的には高年収な層は、それだけでは目立てない。

 ライバルの男性の中には、会話が面白く、誠実でエスコートも得意な同年収の人たちがいるのだ。婚活では一般的に男性が大量のアプローチをし、女性が選別するシステムになっている。だから女性は「より優れた」男性の方へ集中していく。こうして男性は大量のアプローチをしても、相手にしてもらえない苦痛を味わいやすい。

 では、婚活は男性だけが辛酸を嘗め、女性は楽勝なのだろうか。実は女性は女性で、婚活の沼に落ちやすい。というのも、女性は結局モテる男性へ一極集中してしまうため、大多数の女性が振られる仕組みになっているからだ。

 先述のとおり、女性へは大量のアプローチが来る。そしてデートをし、素敵な男性に出会う。ところがその男性も大量の女性へアプローチをしているから、複数の女性から言い寄られている。結果として、モテる男性は初動こそ大変なものの、あとは選び放題になる。そして、大多数の女性には「お断り」が待っているのだ。

 冒頭の女性は、婚活を5年続けても成果が出ずにいた。彼女の望むデートをしてくれる男性は、よりどりみどりの女性たちから選べてしまうからだ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です