結婚を損得だけで考える人に決定的に欠けた視点
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非婚化の要因は多岐にわたりますが、今まで当連載でも何度か検証してきたように、「稼げない男と稼げる女は結婚できない」という事実は無視できません。
【グラフ】年収別の男女生涯未婚率!女性は400万円を超えると
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年収別の生涯未婚率(50歳時未婚率)のグラフをみるとよくわかりますが、男性は年収が低ければ低いほど結婚できず、対して、女性は年収400万円を超えると生涯未婚率は25%で一定となります。25%とは男性全体の生涯未婚理23.4%を上回ります。
(※外部配信先では図をすべて閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)
■根強く残る「女の上方婚、男の下方婚」
これは、こちらの記事(『独身男が「結婚コスパ悪い説」を信奉する理由』)でも書いたように、男女双方の中に根強く残る「女の上方婚、男の下方婚」志向によることは否めません。女性は自分より少なくとも同額以上の収入の男性を相手として希望し、男性はその逆という志向です。しかし、そう互いの思惑通りにマッチングしません。
結果、年収条件の良い少数の男性に人気が殺到し、未婚男女の絶対人口差では20~50代で300万人も男余りなのに、婚活の現場でだけ女余りになってしまうという皮肉な逆転現象を生んでいます(参照:『300万人男余りでも女性が婚活で苦労する背景』)。
要するに、男女ともに、「結婚で損をしたくない」のです。そう言うと、既婚者からは「結婚を損得で考えるようだから結婚できないのだ」とお叱りを受けそうですが、結婚を損得で考えると非婚化が進むのでしょうか?
だとすると、1980年代までの皆婚時代、日本人は損得を考えなかったのでしょうか? そもそも人間は、損得勘定抜きで生きていけるものでしょうか?
実際、1都3県の20~60代の未既婚男女(n=28790)に対して「損得勘定で動くか否か」の差分を調査したところ、未既婚関係なく明らかに「損得で動く」人のほうが多いのです。