結婚を損得だけで考える人に決定的に欠けた視点

 年代別にみるととくに20~30代の若者層に顕著です。年を取るとともに少なくなって60代になるとようやく逆転します。男女比較すると、若干女性のほうが多いですが、それほど差もなく、未既婚での差もあまりありません。

■思考実験の結果は? 

 未既婚での差がないことから「損得勘定で動く」と結婚とは相関がないようにも思えます。さらに、深掘りするために、こんな思考実験をやってみました。

 10問のクイズに答えて、1問正解につき1万円の報酬を得られる仕事があったとします。単独でやるのではなく、あなたは、見ず知らずの他のもう1人と組んで2人でチームとなって取り組みます。チームとはいえ、クイズに協力や相談をして解答するのではなく、それぞれ別々に取り組みます。報酬を得る仕組みは以下のふたつから選択できます。あなたはどちらを選びますか? 

 ① 他の1人の正解数に関係なく、自分が正解した分だけ自分がもらう

 ② 他の1人の正解数と合わせて2人の正解数を均等に二等分して報酬をシェアする

 これもある意味、損得勘定の問題です。

 回答は、前年代を通して②の「2人でシェアする」が過半数を超え、女性に至っては7割がそうします。最初の設問で、20代女性は最も損得勘定で動く割合の多かったのですが、こちらでは特に既婚の20代女性が79%と全体的に高い数値になっていることにも注目です。

 これは「仲良く平等に分けましょう」という意識が高いからというわけではありません。むしろ、どちらを選択するのが自分にとって損がないかを考えた結果なのです。

 クイズ王などどんな問題がきても答えられる自信がある場合は迷うことなく①を選べばいいと思いますが、どんなクイズが出されるかもわからない状況で、自分が一問も正解できないリスクを考えれば、②を選択するのが合理的だからです。

■違う状況でも考えてみる

 では、こういう状況だったどうでしょうか?

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