結婚を損得だけで考える人に決定的に欠けた視点

 実際にクイズをしてみたら、思いのほか自分の得意な分野の問題だらけで、結果あなたは9問正解しました。①(他の1人の正解数に関係なく、自分が正解した分だけ自分がもらう)を選んでいたら9万円の報酬です。しかし、もう1人にとっては苦手な領域だったのか、たった1問しか正解できませんでした。

 ②(他の1人の正解数と合わせて2人の正解数を均等に二等分して報酬をシェアする)におけるあなたの報酬は2人の正解合計数10問を二等分されるので5万円になってしまいました。そう聞くと、かなり自分は損をしたと思うのではないですか。本来もらえたはずの報酬より半減近くになってしまったのですから。

 そこで、2回目のクイズの前に主催者から別の選択肢の提案がありました。

 ③ 今まで通り二等分での報酬を受け取る

 ④ 自分の正解した分だけの報酬に切り替えることができるが、1問当たりの報酬は3分の2とする

 さあ、今度はどっちを選ぶでしょうか。

 2人の合計正解数が1回目と同じだとした場合、③ではあなたは同じく5万円、④だと報酬は減額されても6万円もらえます。

 こちらの回答結果は以下のとおりです。

 今度は、男女および未既婚で大きく差が出ました。既婚男女はほぼ同じで、内心は不公平だなと思っていても③の二等分を選択する人が多く、7~8割を占めます。

 それに対し、未婚男女は④(自分の正解した分だけの報酬に切り替えることができるが、1問当たりの報酬は3分の2とする)選択率が高くなります。とくに、40代未婚女性は半数近くの43%が④を選択し、他の属性より明らかに突出して高いことがわかります。

■他人のミスで迷惑をこうむりたくない

 確かに、④はたとえ報酬が減額されたとしても、他のもう1人が当てにできない以上、むしろ④を選んだほうが報酬額が大きくなるという合理的な判断だったともいえます。しかし、実は、ここで④を選んでしまうのは合理的な損得勘定ではありません。

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