コロナ禍の台湾で「電撃結婚」した37歳女性の本音

コロナ禍の台湾で思いがけぬ人と電撃結婚した日本人女性。いったいその経緯と現在とは?

 30代半ばを過ぎた女性が結婚相手を探す場合、同世代の男性とはマッチングしない状況に直面することが多い。結婚願望があって、学歴や職歴の釣り合いも取れた独身男性が残っていないわけではないが、彼らは同世代ではなく年下の女性との結婚を望んでいることが少なくないのだ。

 だからこそ、日本語教師をしている野村智子さん(仮名、37歳)のケースは特殊でありながら参考になるかもしれない。智子さんは5年間ほど滞在した台湾で、同い年の日本人駐在員である彰さん(仮名)と出会った。2年間の友だち期間を経てから交際を始め、昨年の夏に一緒に帰国。すぐに結婚をし、妊娠も果たした。

■結婚は意識しながらもアクティブに活動する智子さん

 「30歳を過ぎたあたりで好きな人と結婚できたらいいなとは思っていました。でも、30歳を目前にして焦ったのはワーキングホリデーの年齢制限でした」

 大学卒業後はアパレルメーカーの社員として百貨店で販売員をしていた智子さん。人の気をそらさない笑顔と雰囲気の持ち主である。海外に暮らす夢をかなえるために台湾に渡り、語学学校で中国語を学びながらアルバイトもしていた。

 「1年で帰国するつもりでしたが、シェアハウスで出会った人と付き合い始めて、就労ビザを出してくれる会社も見つかったんです。日本語教師として台北で暮らし続けることにしました」

 このエピソードを聞いただけでも智子さんはさほど計画性はなく、好奇心と勢いを重視して生きている女性だとわかる。付き合い始めた同い年の日本人男性も似たタイプだったようだ。

 「3年間同棲しました。魅力的な人だったので結婚も考えたけれど、親に紹介できるかを考えたときに価値観が合わないと思いました。彼は18歳のときに家出して以来、家族とは絶縁状態だったからです。私は家族と普通に仲がいいので、彼とは結婚はできないと思って話し合って別れました」

 34歳のときだった。仲間と過ごす時間も1人で気ままに暮らす時間も、同じぐらい好きだという智子さん。家事をすべて担っていた同棲を解消してみると寂しさよりも「めっちゃ楽」だという気持ちが高まった。

 台湾には若い日本人居住者も多く、智子さんは同い年生まれの日本人と一緒にLINEグループを作成。「台北に来られて、ちゃんとしていそうな人」を選んで仲間に入れ、飲み会や旅行を楽しんでいた。孤独感が募りにくい環境である。

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