「障害」告白するたび交際終了の45歳女性、「最後のお見合い」相手の答えは?

「婚活疲れ」の先に見つけた幸せとは…

 婚活がうまくいかない期間が長くなっていくと、「婚活疲れ」を起こします。婚活は、入学試験や就職試験、資格試験のように「期日」が決まっていて、そこまで努力をすれば結果の合否が分かるものではありません。いつ、お相手に出会えるか分からない。お見合いしてみたものの、全く話が合わなかったり、失礼なことをズケズケと言われたりして、気分を害することもある。また、お見合いしたらすごくいい感触で、こちらは「交際希望」を出したのに、相手からは「お断り」が来た――。そんなことが起こると、一気に気持ちがヘコみます。

 今回は、婚活疲れを起こし、「もう婚活をやめます」と言っていた人たちが、土壇場での大逆転劇で幸せをつかんだストーリーをつづります。

人間は完璧ではない…弱いところを補い合うのが結婚

 近藤あつみさん(45歳、仮名)は30代で職場恋愛をし、1度目の結婚。その後、お相手の男性に借金があることが分かりました。ところが、男性は借金を返す様子もなく、真面目に働こうともしません。結局、結婚生活2年で離婚となりました。その後、心身ともに疲弊したあつみさんは体調を崩し、病院を受診したところ、双極性障害と診断され、1年ほど休職しました。

 通院しながらゆったりと生活をしているうちに、離婚のショックも癒え、気持ちの浮き沈みもだんだんとなくなっていきました。以前のように、穏やかに暮らせるようになったので、「再婚をしたい」と入会面談にやってきたのですが、こんなことを心配していました。

「精神的には安定していますが、定期的に病院に通って薬を飲み続けています。お相手には、それを伝えないといけないですよね」

 もちろん、伝えることが誠意でしょう。ただ、「それは、お相手との関係性がしっかり築けてからでよいのでは?」とアドバイスしました。

 こうして始まった婚活。何人かとお見合いをし、交際に入ることができました。あつみさんはお相手と信頼関係が築けたと思い、「双極性障害で1年間休職した」ことを正直に話すのですが、その後に決まって「交際終了」が来てしまうのでした。

 そしてあるとき、あつみさんからこんな連絡が来ました。

「1年間活動してみましたが、私を受け入れてくださる人には出会えませんでした。私は結婚に向いていない人間なのだと思います。このまま仕事を続けていけば、何とか1人でほそぼそと生きていけるだろうし、蓄えもあるので、ここで婚活に一区切りをつけたいと思います」

 そして、その月をもって退会することになったのです。

 そんなとき、3つ上の男性、吉田達夫さん(仮名)からお見合いの申し込みがありました。お写真はとても優しそうにほほ笑んでいて、年収も600万円ある会社員でした。

「せっかくなので、この方と最後にお見合いをして、交際になったらもう少し婚活を続ける、ならなかったら退会する、ということにします」

 そして、あつみさんは吉田さんとお見合いをしました。お見合い後は交際に入ったので、その月での退会はなくなり、活動継続となりました。

 そこから1カ月後に、あつみさんから連絡が来ました。

「週1のペースで会っているのですが、先日『真剣交際に入りませんか?』と言われたんです。そこで、病気で休職したことを話しました。定期的に病院に通って薬をもらっていることも伝えたんです」

 いつもならここで「交際終了」が来るのですが、吉田さんは違っていました。穏やかにこう言ったそうです。

「人間は、完璧ではないですからね。僕もいつ病気になるか分からない。それも含めて一緒に歩いていくのが、結婚じゃないですか?」

 この言葉に心を打たれたあつみさんは、吉田さんとの真剣交際を快諾しました。そして、真剣交際から2カ月後にはプロポーズをされ、成婚退会をしていったのです。

 成婚退会のあいさつに来たあつみさんが、私にしみじみと言っていました。

「私の全てを受け入れてくれた吉田さんの優しさに、心から感謝しています。彼に寄り添って、これから何があっても私がそばについていて、力になれたらと思います」

 婚活を諦めかけたときに、最後の最後で訪れた幸せ。「結婚は、100人とするわけではない。たった1人とするのだから、その1人に出会えればいい」。そんな言葉が私の頭をよぎりました。

 吉田さんがあつみさんにおっしゃった通り、完璧な人間などいないのです。弱いところを補い合えるのが、結婚なのですよね。

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