「結婚減」は飲み会が減ったせい!?意外すぎる関係

まず、忘れてはならないのは、2019年の令和婚効果による結婚特需があったことです。2019年の婚姻数は2012年以来久しぶりの前年比プラスでした。この特需で前年実績が高かったという要因もあります。ちなみに、2012年のプラスも前年の2011年東日本大震災による「お祝い自粛」の揺り戻しでもあります。

ただし、そういった特殊事情があったにせよ、大きな流れとしては、2002年以降ずっと婚姻は減少基調であることに変わりません。つまり、大前提としてコロナや震災という特別な事情があろうとなかろうと、婚姻は減っていっているとみるのが妥当なのです。

コロナは本当に「結婚」に影響したのか?

そもそも、恋愛結婚する夫婦の平均交際期間は、2015年の出生動向基本調査によれば4.6年です(参照:『恋愛結婚の人は大概25歳で出会っている残酷現実』)。仮に、コロナのために2020年と2021年に結婚式をすること自体を控えたとしても、それだけで4年以上に及ぶ2人の関係性を解消するでしょうか。

影響を受けたとすれば、平均交際期間が1.3年の見合い結婚(結婚相談所含む)のほうだと思います。対面のお見合いパーティーなどはできなくなり、マスク越し・オンライン上の出会いではなかなか結婚への踏ん切りがつかない人もいたことでしょう。

事実、初婚妻の年齢別の2020年増減をみれば、もっとも婚姻数の多い25~29歳では、全体の12%減より少ない9%減だったのに対して、30~34歳は15%減、35~39歳では16%減、40~44歳では20%減と、婚活に頼る高年齢層ほど減少幅が大きくなっています。

「コロナによる結婚減少の影響はない」とまでは言いませんが、むしろコロナが影響を及ぼしたのは、結婚自体よりも恋愛に対してのほうが大きいのではないかと思います。

なぜなら、この2年間、若者の出会いのきっかけが大きく遮断されてしまったからです。平均初婚年齢が29歳、平均交際期間が4年程度であるとするならば、25歳までには結婚相手と出会って恋愛していないといけない計算になります。しかし、残念ながらこの2年間、若者同士が新規に出会うきっかけは剥奪された「空白の2年間」となりました。

万が一2022年に以前のような生活が戻ったとしても、この2年は戻ってきません。単純に2年の晩婚化となるだけならまだしも、恋愛に興味のある20代前半での出会い機会の損失は、さらなる未婚化を促進するかもしれません。

特に憂慮するのは、大学生たちの人との出会いの遮断です。2020年に入学した現在2年生の学生は、この2年間ほぼオンラインの授業に終始し、サークルに入ることもままならないどころか、学外での出会いの場だったバイトすらできませんでした。中高年世代の2年は、瞬きほどの時間かもしれませんが、若者にとってのこの時期の2年は貴重です。

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