(3)結婚相談所・会員の7割が女性からアプローチ……人気職業は公務員

パートナーを求める傾向に…

 全国3000社の結婚相談所ネットワーク「日本結婚相談所連盟」(運営:IBJ)によると、今年3月のお見合い成立件数が過去最多となる月間5万812件を記録した。2021年の年間お見合い成立件数も、過去最多の53万8605件だ。コロナ禍に入って丸2年、4度の緊急事態宣言など外出自粛を余儀なくされてきたが、出会いを求める人は増え続けている。

 婚活アドバイザーで、結婚相談所「マリーミー」(東京)の植草美幸代表がこう言う。

「コロナ禍の20年4月以降、結婚相談所の業界全体では、女性の入会者が目立って増えてきています。また、私の会員さんの状況を見ていると成婚者の7割以上が、女性からのアプローチで結婚に繋がっています。男性はコロナ禍による先行きの不透明感もあり、積極的に動けないかもしれません。女性が求める第一条件では、コロナ禍以前の『経済的安定』や『自分以上の年収・学歴』などから、共働きしながら『何かあった時に支えあえる人』が増えています」

 コロナ以前は、商社や銀行、ITベンチャーの社長など年収が高いとされる職業が人気だった。今は安定している公務員を希望する声が多数という。

 婚活への意識も変わった。女性たちは「夜景がきれいなレストランでデートしたい」といった恋愛の延長上の結婚よりも、会話を通して「人生に不安なく暮らせる人かを知りたい」といい、「恋愛」とは区別した「結婚」を意識している。

40代独身貴族が選ぶ「戦友」「話し相手」としてのパートナー

植草美幸
結婚相談所「マリーミー」(東京)の植草美幸代表(提供写真)

 一方、男性は、経済的にも物理的にも支えてくれる「頼れる女」や「対等に付き合える女」をパートナーに求めている傾向が顕著だという。

「世間のリモートワークが増えてから、仕事第一の高収入独身男性の依頼も増えました。彼らは『結婚しないと思っていたけど話し相手が欲しくなった』『お金はもちろん、若い彼女にも困っていなかったけれど、パートナーが欲しくなった』などと言います。仕事への理解やビジネスの話題も楽しめる相手がほしいと、役職付きの40代同士が結婚するケースも増えています。同性の同僚仲間に近い感覚で付き合えて楽だと話しています」(植草美幸氏)

 成婚したカップルに対し、相手の何が良かったのかを聞いているという植草代表によると、コロナ以前には男性会員の大半が「かわいいでしょう?」などと容姿や性格を挙げていたが、現在は、「頼りがいがあるところや対等に付き合えるところ」を挙げるそうだ。(つづく)

(取材・文=小野真衣子/=日刊ゲンダイ)

引用元:https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/303677

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