むしろ結婚相手を「見つけにくく」している、婚活市場の「構造的な欠陥」

第二に、婚活市場で求められているのは、提示した条件に合致しつつ「安心して恋愛関係を育み、結婚につなげていく」ことができる人でしょう。2〜3回目の出会いで、「関係をすすめる気がないなら〜」という選択を突きつけてくる相手と、今後、結婚を目指した良い関係を構築できると思えるでしょうか。

男女の性別に限らず、このような選択肢を突きつけてくる相手と結婚を前提とした恋愛関係を結ぶのは、相当の覚悟か、別の思惑がないと無理だと思います。

婚活における「残念な最適戦略」

SNS上に限らず、「婚活市場にはロクな男がいない」と婚活女性が愚痴る場面をよく目にします。

確かに、Sさんのように、どこかの見聞きしたことがある恋愛マニュアル的な会話に汲々とするか、そうでなければ恋愛工学に感化され二者択一で性的関係への発展を急ぐ男性たちとの出会いを繰り返していくと、出会いの中で女性は「またこれか」と疲弊してゆき、最終的に「婚活市場にはロクな男がいない」と怒りたくなるのも仕方がないかもしれません。 

その怒りの先にあるのが、私が『婚活戦略』でも書いた「必要なことを聞いたら、その後の会話そのものを拒否」する婚活女性であったり、「理想的な配偶者」を描いて目前の異性を厳しく評価し、選り好みしていく現象なのではないでしょうか。

他方で男性側は、女性側から「見透かされ」、「怒り」を買い続けているにもかかわらず、なぜショットガン・アプローチとパターン化された会話を続けてしまうのでしょうか?

この原因はどこにあるのかを考えていくと、婚活支援サービスが提唱する「共感」を求めるコミュニケーションと、恋愛工学的アプローチにおける合理的な人間モデルが、一見真逆のようで、実は同じロジックに基づいているからではないか、と私は考えています。

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