むしろ結婚相手を「見つけにくく」している、婚活市場の「構造的な欠陥」

それは、女性は男性と異なる特有の刺激―反応のメカニズムを有していて、会話のインプットによって「好意を感じさせ」たり「意思決定をコントロール」していくことで、婚活を上手く進めていこうという考え方です。いわば、それぞれの女性の個性や考え方を捨象し、一定の刺激に反応する機械として「モノ化」していくことが、男性のみならず、婚活を支援する事業者が提唱する婚活戦略の大前提になっていると言えます。

この「モノ化」を前提とした婚活戦略は、婚活市場でのショットガン・アプローチと組み合わせた時、非常に有効な戦略であるという一面も持っています。

「共感」でも「二者択一」でもどちらでも良いのですが、繰り返しそのコミュニケーションを実施していけば、確率的に「想定通りの反応」を返してくる女性が現れます。

女性側がどのような事を考え、行動するかを事前に把握することは不可能な訳ですから、モノ化を前提にして、出会いとコミュニケーションの回転率=実際に出会える確率をいかにあげていくのかが、男性にとって婚活市場に最適化された戦略になってしまうのです。ただ一点、その婚活戦略を「見透かしている」女性が多いことを除けば。

実はこの「モノ化」は、男性側に特有の現象では無いと、私は考えています。例えば、女性向けの婚活ファッションのセミナーや、女性誌で頻繁に特集される「モテメイク」がその一例です。「男性はこういうファッションの女性を配偶者に選びやすい」という刺激―反応モデルを前提としない限り、このようなセミナーや特集を組むことは出来ません。

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