「恋愛未経験者」が婚活市場でも苦戦してしまう訳

とにかくイケイケゴーゴーな美月さんですが、春樹さんにとっては「好みの顔」だったそうで、なんとか順調に交際は進みました。余談ですが、婚活男性の9割(私の体感ですが)は、まず女性を顔と年齢で判断します。

もちろん互いを知っていくうちに性格なども見ていきますが、女性は男性の収入、男性は女性の顔と年齢、これが判断基準の中でかなり大きなウェイトを占めることは、昔から変わらない事実です。

美月さんは当相談所に入ってから10キロの減量に成功。メイクも服も専門家のアドバイスを受けてずいぶんと垢抜けました。きれいになると明らかにお見合いの引き合いも増えて、会う相手が変わってくる。本人も自信が出て、ますますきれいになっていきました。春樹さんはそんな美月さんに惹かれたようです。

美月さんは春樹さんの優しいところ、年上として気遣いができるところに惹かれていました。関東に住む春樹さんは、関西に住む美月さんとデートする際、毎回交通費を3万円さりげなく手渡ししてくれていました。中間地点の名古屋で会うときは2万円。そんな男性は28人お見合いして、春樹さんだけでした。

実家の挨拶直前に判明したまさかのできごと

デートを重ね、いよいよ関西に住む美月さんのご両親に2人で挨拶に向かうことになりました。ここまでたどり着いたら、あとはプロポーズ、成婚退会となります。「ようやく美月さんも⋯⋯」と、私も一安心したその時、彼女の実家から帰京した春樹さんから「いったん白紙に戻したい」と連絡が来たのです。

白紙ということは、限りなく破談の可能性が高いということです。いったい実家で何が起きたのか。美月さんに確認しましたが「まったく理由が思い当たらない。普通の会話しかしていない」と首をかしげる。最初から何があったのか細かく細かく思い出してもらいながら聞き出してみると⋯⋯。

まず実家に着く前から事件は起きていました。高齢の両親と会うということで、2人とも事前にPCR検査をすることになっていたのです。彼は前日までに「陰性」の結果を出したのですが、彼女はケチって自治体が行っている無料検査にこだわったため、検査結果が出るまでに時間がかかり、当日、駅まで迎えに来た父親の車に乗る寸前にようやく結果の連絡が来ました。しかも、「陽性」でした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です