26歳婚活女子「乳がん発覚」で知った幸せの本質

「病気がなかったら、私は今も迷走していた」

28歳のときに乳がん(ステージ2)と診断されたという女性。婚活でできた彼氏は一度は「一緒に頑張ろう」と言ってくれるも、その後、別れを告げられることに。しかし、つらい経験も今では糧になっているようです(写真:monzenmachi/GettyImages)
「自分の人生、このままでいいのかな?」「本当はもっと向いてる仕事があるのでは?」「そもそも、自分はちゃんとした大人になれてるのかな?」……20代半ばから30代に訪れるとされる「クォーター・ライフ・クライシス」(以下QLC)。一人前の大人へと移行するなかで、仕事、結婚、家庭などなど、自分の将来の生活や人生に対して、漠然とした不安や焦燥感にさいなまれる時期のことを指す。

性別職業問わず、さまざまなQLC経験者に取材し、現代の若者たちが味わう苦悩を浮き彫りにしていく本連載。連載9回目となる今回は、転職を機に始めた婚活で消耗し、命に関わる病気を経験したことで迷走期間を抜け出したという、河崎奈津子さん(仮名・29歳)のケースを取り上げる。

「新しい職場ではマッチングアプリがはやっていて、私も婚活(恋活)を始めたんです。前職では平日の仕事でヘトヘトになり、土日はひたすら家で寝て過ごす生活でしたが、新しい職場はワーク・ライフ・バランスがとれていて、実際、マッチングアプリで結婚した先輩もいたりして……。そういうのを見るうちに、『30歳までに結婚するなら、いま出会わないとヤバい!』と、もともと恋愛に積極的ではない私も急に焦るようになっていったんです」

幸せの定義はさまざまだ。周囲がとやかく言うことではないが、現実問題、「幸せかどうかを、周囲の価値観を通して判断している」人は少なくないだろう。

稼ぎ重視で就活、銀行で営業職に

埼玉県出身の河崎さんは、現役で都内の大学に進学し、新卒で大手銀行に就職。約3年半個人営業(リテール)として働いた後、26歳で転職した保険会社で現在も働いている。

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