変わる婚活の形 マッチングアプリが少子化対策に?活用開始する自治体も

■「待ったなしの人口減少に歯止めを」自治体ではマッチングアプリを少子化対策に活用開始


その変化を積極的に少子化対策として取り入れようとする自治体も現れた。
11月25日、三重県桑名市はマッチングアプリを活用した新たな取り組みを始めると発表した。

三重県桑名市 伊藤徳宇市長
「行政がペアーズ(マッチングアプリ)と連携することで『出会いたい・結婚したい』と考える若い世代の出会いを支援したい」

左:「ペアーズ」運営会社 石橋準也代表取締役CEO 右:三重県桑名市 伊藤徳宇市長

三重県北部に位置する桑名市。
豊かな自然に囲まれ、名古屋へのアクセスも便利なベッドタウンだが、実は今「待ったなしの人口減少」という課題を抱えている。

特に少子化が深刻で、出生数は5年連続で減少し、2019年には1000人を切った。

そうした中、桑名市が人口減少と少子化を解決するため、「新たな対策」として準備を進めてきたのがマッチングアプリとの連携だ。

2022年10月末 桑名市役所で市の担当者とアプリ運営会社の打合せの様子

11月25日、桑名市は国内最大手のマッチングアプリ「ペアーズ」の運営会社と「共同で桑名市の独身男女の出会いを支援する」という協定を結んだ。自治体がマッチングアプリの会社と協定を組むことは珍しい。

桑名市では少子化の解決に向け、出会いのない男女が多い現状に着目。アプリの利用を促すことで、市民へ出会いの機会の提供を目指す。まずは、アプリの安全で効果的な利用方法を説明するイベントを共同で開催し、参加した市民に1か月程度限定でアプリを無料で使用できるギフトコードなどを配布する。イベントは2023年5月頃から継続的に開始予定だ。

背景にあるのが、自治体独自での対応の限界だ。

伊藤徳宇桑名市長は「行政がしている出会いのサポート支援は、ほとんどの方が全く目に留まっていない」と話す。市民へのアンケートでは、マッチングアプリの認知度は十分で、「使ってみたい」という声も多かったという。独自にシステムを構築するのではなく、大勢が知っている既存のツールを使うことでスピード重視の戦略をとった。

三重県桑名市 伊藤徳宇市長
「若い方がデジタルのツールを活用して出会いができると思っているのであれば、それを応援するような行政になっていけばいい」

桑名市はイベントに加え、将来的には、市内の企業と協力して、マッチングアプリで出会ったカップルはデート先で割引を受けられるなどのデート支援のキャンペーンも検討している。

■行政とアプリの連携 トラブル防ぐために「両者が協力して安全性高める努力を」

少子化・婚活に詳しい 相模女子大学大学院 白河桃子特任教授

ただ、マッチングアプリをめぐっては、経歴の詐称や詐欺被害などトラブルとなるケースがあるのも事実だ。

少子化・婚活に詳しい、相模女子大学大学院・白河桃子特任教授は、行政と運営会社が連携する場合、共に安全性を高める努力をすることが重要だと指摘する。
「独身ではない人がアプリに加入していたらそれはリスク。どうやったらアプリの利便性と安全性の一致点が見つかるかということを両者で協力して進めるのがいい。おまかせではなくて自治体の方も勉強していく必要がある」

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