2022年、婚活市場で一番モテたベンチャー企業社長。デートでその男の心を掴む方法とは…?
Q1:上場を控える男と出会えたあと、どうすればいい?
翔吾との出会いは、知人の紹介だった。
32歳で結婚願望の強い私はいい人と出会いたくて、ツテを持っていそうな男友達に声をかけていた。
「類は友を呼ぶ」との言葉通り、優良なスタートアップ系の経営者や役員はつながっていることが多い。基本的に上場を控える同世代の、特に同じ会社出身の人たちはよくつるんでいる。
だから自身もベンチャー企業を経営している、友人の正人に頼み込んだ。
「正人お願い!!イイ人いたら紹介してほしい」
すると正人が、すぐに紹介してくれることになった。
「今度、ホムパするけど花梨(かりん)も来れば?」
「本当?行く!絶対行く!」
こうして、私は見事にキッカケをつかんだのだ。
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虎ノ門にあるタワーマンションの高層階で、そのホムパは開かれた。
「家主の知り合い?」
そう話しかけてきた翔吾は少し小柄だけれど、真っすぐ視線を向けてくる感じが印象的だった。カジュアルなセーターにデニム。決して超おしゃれとは言い難いけれど、清潔感があり、いかにも“ベンチャー起業家”という感じだった。
「それが、家主の方は知らなくて…。正人に呼んでもらったんです」
「そうなんだ!正人の知り合いなんだね。会ったことないよね?」
「ないと思います。お名前は何ておっしゃるんですか?」
「あぁ、ごめんごめん。僕翔吾っていいます。名前は?」
「花梨です」
「花梨ちゃん。よろしくね。せっかくだから飲もうよ」
こうして、私と翔吾はシャンパンのグラスを傾けた。
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この日男性は10人ほど、女性も8人くらいはいたと思う。でもその間に他の男性陣たちも交えつつ、私とずっと話していた翔吾。
「他の人のところとか、行かなくても大丈夫ですか?」
「全然大丈夫。いつも会っているメンバーだから」
「皆さん仲良しなんですね」
「そうだね。正人以外に知り合いとかいる?」
「正人さん以外、わからないです」
そんな会話をしているうちにいつの間にか夕方になっていた。
そしてここから別のお店へ移動したり、誰かの家で飲み直したりすると言っていたけれど、少し疲れてしまったので私は帰ることにした。
「花梨ちゃん、もう帰っちゃうの?」
「明日朝が早いんです…。ぜひまた」
「うん、またね」
しかも翌朝お礼のLINEを送ると、翔吾からデートのお誘いがきた。
このデート当日にかなり気合が入っていたのは言うまでもない。