2022年、婚活市場で一番モテたベンチャー企業社長。デートでその男の心を掴む方法とは…?

Q2:男が女との交際に至らなかった理由は?


初デート当日。前日に普段から通っているパーソナルトレーニングに加えて、美容クリニックへ行って肌をトーンアップし、夜は1枚5,000円もする高級シートパックまでして気合十分だった。

ネイルは完璧だし、肌の調子もかなり良い。

そんな万全の状態で、私は翔吾が予約してくれていた西麻布交差点にほど近い、完全個室の『やきにく 九 西麻布本店』へと向かった。

「このお店、すごいですね♡初めて来ました」
「でしょ?ここ個室3部屋しかないし、顔が絶対に割れないからいいんだよね」

お店は西麻布らしく、個室のみ。しかも客同士が会わないような設計になっていて、芸能人や翔吾のような有名経営者御用達のお店のようだった。

私は掘り炬燵に足を伸ばしながら、思わず唸ってしまう。

― さすが翔吾さん。こういうお店を普段使いしているのね…。

そんなことを考えていると、翔吾がニコッと笑っていたので、思わず自分の洋服を見る。

「ちなみに、洋服にも匂いがつかない設計だから安心して」

「焼肉だと匂いがついたら嫌だな」という心の声が、漏れていたのだろうか。

「え〜すごい!」

笑顔でかわしたものの、とにかくこの日1日、私は失敗しないように頑張った。

「花梨ちゃんは、何のお仕事をしているの?」
「今は個人で、PR系の仕事をしています」
「共通の知り合いとかいそうだよね」

そう言った翔吾の言葉に、私は大きく頷く。

「実は今日『翔吾さんと食事へ行く』って言ったら、香奈が…。って、香奈ってわかりますか?THE・港区女子!みたいな女の子」
「わかる!少し派手な顔立ちの子だよね?仲良いの?」
「そこまで…って感じなのですが…。DMでやり取りしていた時に翔吾さんの話になって。香奈が、よろしくって言っていました」
「そうなんだ!こちらもよろしくって言っておいて」

経営者のコミュニティーは非常に狭い。そこに群がる女子とも、すぐにどこかでつながる気がする。

「ちなみに翔吾さんって、どういう女性がタイプなんですか?すごくモテそうだなと思って」

厚切りなのにプリプリで柔らかいので口の中で溶けていく、極上の「肉厚タン」を食べながら、なんとなく探りを入れてみる。

「自立している子かな。あと明るい子」
「両方とも大事ですよね。でも最近だと、女子アナとか女優さんとか付き合ったりとかはしないんですか?」

「僕?いやいや、そんな畏れ多いよ」

そう言って謙遜するところも素敵だなと思う。正直に言うと、最初は彼のスペックで見ていたかもしれない。でも話せば話すほど、人間性にも惹かれていく。

「花梨ちゃんは?どういう男性がタイプなの?」
「誠実で、浮気しない人ですかね。浮気ってなんでするんだろうって思いませんか?」
「浮気かぁ。されたら悲しいよね」

どこまでいい人なのだろう。優しいし人の話もきちんと聞いてくれる。そしてもうすぐ上場を控えているため、総資産は数十億になる予定…。

完璧すぎて、改めて心が震えてきた。

「翔吾さんって、最高ですね」
「ありがとう」

こうしてこの日は下にある『THE GOLF TOKYO』で2軒目としてシミュレーションゴルフをしながら飲みつつ、結局12時過ぎくらいまで盛り上がった。

「楽しかった〜!翔吾さん、次もまたお願いします♡」
「うん、もちろん」

そして約束通り二度目のデートも無事に決行された。

でも結局、そこから三度目のデートはない。果たして翔吾は何を考え、そしてどうすれば彼の心をつかめたのだろうか…。

引用元:https://tokyo-calendar.jp/article/24914

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