42歳“子ども部屋おじさん”、母が嫁探しする52歳医師…「実家住まい」の男女が婚活市場で敬遠される“納得の理由”

「実家住まいの人たちは、婚活市場で敬遠される」。そこには、親と子の「共依存」の関係が影響しているようです。婚活の現場で仲人が見た、典型的事例とは。
「実家住まいの人」が敬遠される理由は…

 婚活者がサイトでお相手を選ぶとき、実家住まいの人たちは敬遠される傾向にあります。いい年をした息子(娘)をずっと実家に住まわせている親、社会に出て働いているのに独立もできず、実家に世話になる息子(娘)……。親は子離れができず、子は親離れができない、どこか「共依存」の関係になっていることが多いからです。今回は、そんな典型的な事例を見ていきましょう。

結婚後も母親と“べったり”な娘

 佐藤ゆうたさん(34歳、仮名)はバツイチ。再婚を望んで、先日、入会面談にやってきました。そして前回の結婚と離婚について、こんなことを話してくれました。

「僕はほとんど恋愛経験がないまま、30歳になったんです。『このまま普通に生活をしていたら、一生結婚できないのではないか』と思って、思い切って大手結婚相談所に入ったんです」

 そこで出会い、成婚したのが前妻の加藤みやこさん(29歳、仮名)でした。

「恋愛経験がなかったから、相手の本質を見極められなかった。お付き合いをしているときから、会話に彼女の母親の話がよく出てきました。でも、母親と娘の仲がいいのは悪いことではないし、逆にほほ笑ましく感じていたんですね」

 新居も、みやこさんの実家の近くに借りたそうです。その理由も、みやこさんが「もし子どもが生まれたら、実家にサポートしてもらえる」と言ったからでした。ゆうたさんの母親は既に他界し、父しかいなかったので、「子どもを授かったときには、女手のサポートが必要。彼女の両親が近くにいたら心強い」と、そのときは思っていました。

「ところが、結婚後も彼女は実家にべったりで、僕の仕事が遅いときには、実家で夕食を食べていた。僕が帰る時間に、実家の母親が作った総菜を保存容器に詰めて、持ち帰る。それが、僕の夕食になっていました」

 さらに、みやこさんは土日も、いずれかは実家に帰っていたといいます。どちらが自分の家なのか分からない状態になっていたそうです。

「新居は2LDKだったのですが、一部屋ずつをそれぞれの部屋にして、リビングを共有スペースにしました。それが彼女の要望だったんです。『夫婦とはいえ、プライベートな空間がほしい』と。あと、新婚なのに寝室が別だったんですよ。それも、『人が隣にいると熟睡できない。寝不足で会社に行ったら、仕事に支障を来す』という理由で」

 みやこさんの要望をのんで新婚生活をスタートさせたのですが、初日から、みやこさんは夕食を終えると自分の部屋に入り、母親と長電話をしていたというのです。

「夜の夫婦生活も全くないままに、3カ月が過ぎました。いくらそれまで恋愛経験がなかったとはいえ、さすがにこの関係はおかしいと思うようになりましたよ」

 そんなあるとき、実家にべったりのみやこさんをゆうたさんが、「結婚したんだから、いいかげんに母親離れをしろよ」と責め立てたことで、大げんかが勃発。みやこさんはそのまま実家に帰ってしまったそうです。

「結局、そこからは『離婚したい』の一点張りでした。理由は、『トイレが長い。その後の臭いがひどくて、しばらく入れない』『体臭がきついし、生活の仕方も生理的に合わない』と。自宅のトイレくらいゆっくり入りたいですよね。人間ですから、食事をすれば出すものは出す。その後の臭いを指摘されても(苦笑い)。あと、体臭がきついと言うけど、毎日お風呂に入っていたし、体臭を感じさせるほどの夫婦の触れ合いもなかったですよ」

 そして、ゆうたさんは続けました。

「結局、母親と離れているのが嫌だったんじゃないかな。母親も母親で、娘離れができていなかった。実質、結婚生活は3カ月でした。そこから2カ月くらい話し合って、結婚から5カ月後に離婚しました。次に再婚する相手は、実家暮らしではなく、1人暮らしの女性がいいです」

 ゆうたさんは、大きなため息をつきました。

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