早く、たくさん出会いたい 婚活にもAI、着こなしの提案もすぐに
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オフホワイトのカーディガン、ピンクベージュのカットソー、ブラウンのロングスカートで決めてみては、と勧められた。
統一感と落ち着きがあり、グラデーションのきいた色みを見て、都内在住の佐藤杏南さん(28)はうなった。
「わたしのこと、分かってるね」
100着以上もあるお気に入り服からのコーディネート。なかでも、自分に似合う白が効果的に使われていると感じた。
提案してくれたのは、スタイリストでも、友だちでもなく、AI(人工知能)。「XZ(クローゼット)」というスマートフォンのファッションアプリを使っている。
手持ちの服の写真を登録すると、着こなしを提案してくれる。元ネタは、ファッションブランドやインスタグラマーから提供された50万枚以上のコーディネート画像だ。
自分の頭で考えられる着回しには限界がある。佐藤さんは朝、30分も頭を悩ませたこともあった。それが今では、朝食を食べながら、スマホ片手にものの数分で済む。
着回しに悩む色物の服をうまく合わせてくれた時は、うれしかった。
「新たな発見がある。自分の脳みそを補完してもらっている感覚。aiboやルンバと同じで、私にとって、XZも仲間なんです」
AIは人生の伴侶選びにも使われている。
「A=自分には人並みの知力がある」「B=仲間とはいっしょに楽しい時間を過ごす」
関連性の一見分からない質問が112問並ぶ。AとB、実情に近い方を選んで回答すると、「自分が重視する価値観」と「相手に求める価値観」をAIが分析。過去の交際や結婚の成功例などの蓄積データをもとに、相性のいい相手を紹介する。民間の婚活業者「タメニー」などが開発した価値観診断テストだ。
埼玉県運営の「SAITAMA出会いサポートセンター」では、2018年の開設以来、100組以上がAIによる紹介で結婚した。「第一印象は好みのタイプではなかったが、話してみると居心地がいい」といった感想が多いという。
タメニーの自治体担当畠山祐子さん(39)は、人気の背景に効率重視の世相を感じている。
「婚活に多い30~40代は、質のいい出会いをたくさん、早くほしがる。自分のことを理解しているかどうかわからない人間より、データを客観的に分析してくれるAIの方が信じられるのかもしれない」(黒田健朗)
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/4192613484990524938578be4e61a7d600921804