35歳・大学教授が「マッチングアプリ」を使ってわかった、婚活市場の「残酷な現実」

ところが、書籍内でも紹介したパパ活女性との出会いの経験は、婚活市場では女性がむしろ、レバレッジを効かせて相場以上の利潤を得ているようにも思える。つまり、マッチングアプリの利用を通じて、自分の市場価値を認識し、釣り上げていく戦略が「パパ活」なのではないだろうか。

「パパ活」が極端な話だとしても、婚活とは自由恋愛による結婚が行き着いた先に、新自由主義に到達した恋愛と結婚が、今のスタンダードなのかもしれない。

婚活市場ではマッチングアプリを通じて、自分の価値を否応なく知ることになる。一部の企業を除いて年功制賃金がベースになっている日本において、男性の財力は年代ごとに横並びに近い。

それに対して、女性の若さと美貌は希少資源だ。だとしたら、自由に恋人や結婚相手を選ぶことが許された時代に、それを可能にするツールとしてマッチングアプリを用意されたら、希少資源を持つ女性が、より希少資源を持つ男性との交際や結婚を望み、より豊かな生活を求めても当然だろう。

逆もまた真なりだ。途轍もない年収を稼ぎ出していたり、とんでもない美形の男性が、若さと美貌を持つ女性との恋愛と結婚の機会を独占しているのでは?

新自由主義があらゆる格差を広げたと言うが、恋愛と結婚にまで、その格差は浸透しつつあるのかもしれない。

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アプリ女性は、自由恋愛の夢を見るか?

マッチングアプリに全く触らない週末を過ごして、月曜日からこれまで通りのアプリ婚活生活に戻った。

アプリを約1年の契約にしていたので、残りは3ヶ月ほどしかない。そしてアプリで知り合った製薬会社勤務のTさんから、LINEに既読すらつかないことを心配している連絡が入っていたので、出勤しながら「仕事の締切が迫っていて、週末はなかなかお返事できず……!ご心配をおかけしました!」という内容の返事をした。

金曜日の夕方から都合2日半も音信不通になったので、Tさんからは関係を切られてしまっても仕方がないと考えていたのだが、幸いなことにシャットダウンされることは無かった。

本当にありがたい……と思いつつも、以前と比べてどこか心が乗り切れない自分に気づいた。

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