35歳・大学教授が「マッチングアプリ」を使ってわかった、婚活市場の「残酷な現実」
同時に、「マッチングアプリ」の登場は、あらゆる面で女性を良い意味で解放しているのではないだろうか。
日本で見合い婚が衰退し、自由恋愛による結婚が主流化して以降、一貫して年の差婚の数は減り続けているらしい。
乱暴に言ってしまえば、
断れない形で、ブサイクなオッサンとお見合い結婚を強いられていた女性が、選べるなら同年代のより若くイケメンで、経済力もある男性と結婚したい
というある種当然の帰結に至ったのではないだろうか。
おそらく、マッチングアプリという武器を手に入れた女性は、冷静に「商品化された自分の性」を値踏みして、適切に利潤を手にする時代になったのだろう。
罪悪感と経験値不足
色々考えた結果、Tさんに対して誠実にあるべきだ。
そう考えてアプリの利用は一時停止した。彼女はパパ活を目的とした女性と違うのだし、少なくとも、将来の結婚に対する意思があることを述べていたのだから。
そして私のアプリ婚活も、ある程度の局面を迎えているのだから、一時的な気の迷いで変な行動をしてはいけないと思う。
とはいえ、TさんとLINEでやり取りしたり、実際にあって会話をしていても、どこか空虚な感情に襲われている。
私が目の前の彼女を信じられないだけでなく、アプリを通じて女性と出会おうとしている私自身が、性の商品化を推し進めているように思えて、後ろめたく感じてしまうのだ。
その結果、Tさんと食事デートをしている最中でも、あまり会話が弾まない時間が生まれていた。
彼女も、そう毎回悩みを私に相談したり、職場で問題を抱えたりしているわけではない。結局、お互いの一通りの生活や趣味が分かってしまった後、話すことが無くなってしまったのだ。