結婚する男性の条件が33歳以下年収800万円は高望みですか?

結婚する相手は33歳以下で年収800万円以上の男性、自分はできれば専業主婦希望――。結婚の理想像について、こんな条件を並べた24歳女性の投稿が、読売新聞の掲示板サイト「発言小町」で大きな反響を呼んでいます。“婚活偏差値”が高いとされる「若さ」を武器に婚活市場に乗り込もうとする女性へ、「待った」をかける批判的な意見が集中。相手探しをするにしても、婚活市場の実情に合った戦略が求められるようです。

「この条件は高望みですか?24歳OLです。」というタイトルで投稿したのは、4年制大学を卒業後、大手企業の事務職で働く「さくら」さんです。「最近、婚活市場において女性はとにかく若さが重要だということを知り、マッチングアプリや結婚相談所を利用し、お相手を探し始めようかと考えております」と投稿の経緯を説明。結婚相手のスペックに関して六つの条件を示したうえで、「理想が高いかどうか客観的なご意見をいただきたい」と求めました。

【六つの条件】
・33歳まで
・年収800万以上
・出産後に専業主婦になること、もしくはパート勤務を許してくれる(できれば専業主婦希望)
・大卒で安定した職業
・清潔感がある
・義両親との同居や介護の問題がない

「さくら」さん自身のスペックは、年収約350万円、一人暮らしで家事は一通りでき、料理が得意、と家庭的な雰囲気をにおわせます。容姿については、「ルックスや声は褒めていただけることが多く、ご飯に誘われることも多い」とまんざらでもないようです。

ブランドものやタワーマンションを手に入れてキラキラした生活に憧れているわけではなく、「さくら」さんの望みは、「少し広めの家に住み、自分は家事育児に専念し、値段をあまり気にせずスーパーで買い物できるような少し余裕のある暮らし」。幸せな結婚生活にふさわしい、六つの条件をクリアする相手と出会うことはできるのでしょうか――。

33歳以下年収800万円の男性、日本に何人いる?

この投稿には、200件を超える反響があり、結婚相談所やマッチングアプリを利用したことのある婚活経験者や、同じようなスペックの男性と結婚したという既婚女性などから意見が寄せられました。男性に求める六つの条件が琴線に触れたのか、一言申したいという男性からの声も目立ちました。

写真はイメージです

地方の国立大を出て地元の中小企業を定年退職した65歳男性の「チュン夫」さんは、「定年近くになって700万円を超える年収になったが、一回も800万の年収に達したことはありません」と自らの収入を明かしました。そればかりか、「私の息子(30歳)は都会の中企業勤務ですが、800万円の年収はないと思います」とも。夫婦共働きを続けた生活を振り返り、「年収800万で専業主婦を養い、『余裕のある暮らし』をするのは厳しいだろうと思います」と忠告しました。

高収入で若い、いわゆるハイスペック男子は、早いうちに結婚相手を見つけ、婚活市場に参入してこない実態を踏まえ、「のっこ」さんは「専業主婦でよくて、値段を気にせず買い物をしていいよと言ってくれる人は、50代くらいのお金を持っている若い子が好きな人くらいじゃないですかね?」と冷ややかにコメントし、「33歳以下で800万の稼ぎがあるなら、年収350万、働く気なし、節約する気なしの女性は選ばないでしょう」とバッサリ切り捨てました。

ところで、「さくら」さんが条件の一つに挙げた収入ですが、33歳以下の男性の年収はどれくらいなのでしょうか。国税庁の「民間給与実態統計調査」(令和3年分)によると、民間企業の平均給与(年収)は、25~29歳男性で405万8000円、30~34歳男性が475万4000円です。「さくら」さんが示した条件が実態と大きくかけ離れているため、「世間知らず」「そんな人ほとんどいない」と非難を浴びてしまうことに。

「婚活している男性が100人いるとして……」と切り出した「ぺぺ」さんは、収入の条件に合う男性がどれくらいいるか算出を試み、「33歳までに800万円もらえている男性は15人くらいの確率だと思います」と推計しました。「さくら」さんにとっては、激しい争奪戦になることが予想されます。さらに「ぺぺ」さんは「20代のうちに800万円に達している男性は、さらに6人くらいに減ると思います」。これではもう、戦意喪失となってもおかしくありません。

「ぺぺ」さんは、次のように結論づけました。「6人の中に顔が生理的に受け入れられて一緒にいて楽しいと思える人が1人いればラッキー。しかし、その人があなたを好きになるかは別問題。つまり、100人いても付き合える確率は限りなくゼロ」

「清潔感」って言葉はクセモノですよ~

「さくら」さんが理想とする結婚相手のスペックを巡っては、年齢・年収以外の条件についても気になるコメントが寄せられています。

「エスコートは自分から」さんは、条件にある「清潔感がある」を指弾。「『清潔感』って言葉クセモノですよー。清潔なのは当たり前で。そこに『感』がつくと爽やかなソコソコのイケメンがいいってことじゃないの?」と真意を探ります。「ぽっちゃりさんだったり、肌が脂ぎってたり、ヘアスタイルがイケてなかったり、自分より身長が低い人は嫌なんじゃないの?」と追及を続けました。

「専業主婦希望」の条件も非難の的になり、「夫の収入が一生涯ずっと安定してるか分からない」「せっかく大学出たのにもったいない」「いまどきそんな昭和っぽい考え方?」などの批判的な意見が相次ぎました。

トピ主さんとほぼ同じスペックで、24歳、4大卒、大手企業正社員の娘が、結婚相談所を成婚退会したという「オバハン」さんは、「(娘に対し)22~53歳、年収250万~7000万円まで、申し込みがありました」と婚活市場の実態を具体的に伝えてくれました。条件のそろった男性は交際に進展することが難しく、交際までいっても、ほとんどが共働きを希望し、「専業主婦希望」は断られるといいます。「いくらトピ主さんのスペックが良くても、『専業主婦希望、同居無理』など、自分の欲望だけ言っていたら、結婚までたどりつきません」というアドバイスにも実感がこもります。

「花の命も女性のきれいな時期もとても短い」

結婚相手に求める条件について意見を求めた「さくら」さんへの風当たりは強く、苦言や嘲笑もありましたが、数は少ないものの応援するコメントも寄せられており、いずれも力強い内容でした。

「女性の24歳ってまぶしいほどすてきです。昭和みたいな事を言いますが、花の命も女性のきれいな時期もとても短いものです。その短く美しい時期を独占させるのですから、そのくらいの条件を付けていいと思います」(「パートのおばちゃん」さん)。

「姉妹の母」さんは「5年前、婚活を数か月ほど経験した既婚者です。とにかくお若いですし、自己評価では見た目も良いとのことですし、高望みしてもよいと思います」とエールを送ります。トピ主さんのスペックなら、むしろ高望みするのが当然と背中を押し、「若さという婚活に一番有利な武器があります。一生を決めることですので、自分を信じて吟味してくださいね!」と励ましました。

若さが最大の武器になるとの思いで、「もう1秒も無駄にしないで」と訴える「山田」さんは、「希望に沿う出会いがないのなら、明日にも結婚相談所に登録。同じく登録したばかりで、自分が優良物件だとまだわかってない男性に即アタックです」と意表を突いた裏技を薦めます。

短期速攻でも長期戦でじっくりでも、自分なりのスタイルでやり抜くことが大切かもしれません。納得いく相手と出会い、幸せな結婚生活になりますように。

(読売新聞メディア局 鈴木幸大)

引用元:https://www.yomiuri.co.jp/otekomachi/20230421-OYT8T50050/

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