「お相手にやる気がない」39歳婚活女性が抱く不満

これは、相談所で活動したことのある女性なら、誰もが一度は思ったことがあるはずだ。

相談所にいる40代の男性、ことに初婚者は、こうした動けないタイプがとても多い。彼らの多くが、これまで恋愛らしい恋愛をしないままに歳を重ねてしまった。ゆえに、どう交際を進めていいのかわからない。デートにふさわしい店も知らない。だから、女性に丸投げしてしまう。

やはり男性が舵取りをしていかないと、結婚を前提とした交際はスムーズにいかない。逆をいえば、“恋愛の舵取りができる男性は、とっくに結婚している”のだ。

うまくいかないまま8カ月が経った頃、「活動を少し休みたい」とさとえから連絡が入った。

「今度、新しいプロジェクトを会社が立ち上げることになって、その責任者を任されたんです」

そのため、これまでも仕事が忙しかったのに、最近はさらに忙しくなったという。家に帰るのは夜の10時とか11時。夕食は会社ですませるので、帰宅したら風呂に入って寝るのだが、この間は、お湯を張ったバスタブの中で居眠りをしてしまった。

「湯船で溺れそうになって目が覚めたんです。こんな状況で婚活を続けるのは、無理がある。出会いよりも今はとにかく体を休めたいです」

こうしていったん婚活市場から降りた女性は、二度と婚活市場に戻ってこないケースが多い。

私に結婚は本当に必要なのか?

3つめは、婚活をしても出会えないでいる時間が増えると、“無理やり結婚しなくてもいいのではないか”という境地に陥り、婚活から離脱していく。

婚活をしたところで、そう簡単に結婚に結びつくお相手に出会えるわけではない。これは年齢を問わずに言えることなのだが、歳を重ねるほど出会いの数は少なくなっていく。少ないチャンスの中で、結婚できる相手を探すのは、これまた至難の業だ。

そうした環境の中で出会い続けていくと、婚活へのモチベーションが下がり、結婚すること自体に疑問を感じるようになる。

きよみ(47歳、仮名)は、婚活を始めて10カ月になる公務員だ。男性に媚びを売ったり、女性特有の色気のある仕草や言葉遣いをしたりするのは苦手なタイプ。なので、恋愛経験はあまりないのだが、男女問わずに友人は多かった。

そんな彼女が1年前に婚活を決意した。それは、こんな理由からだった。

「コロナで緊急事態宣言が出たときに、改めて家族やパートナーの大切さを知りました。私には信頼できる友人がたくさんいますが、行動制限がかかった中で友人に会うことはできなかった。一緒に過ごせるのは家族。親は地方にいたし、私は一人暮らしだったので、時間を持てあましたし、本当にさみしかった」

そうして始めた婚活だったが、1年後にそれはこんな思いに変わった。

「人と会うのも話すのも好きなほうなんですが、婚活の出会いは、そうした自然な出会いとはまったく異質なもの。“この人と結婚できるか否か”という前提で会うので、自分をどう売り込むか、また相手をどうジャッジするかと、なんだか全然楽しめなかった。それに、お見合い後に交際に入っても、“その人のことをもっと知りたい”とか、“一緒にいて心地よい”とか感じる人はいませんでした」

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