少子化問題の前に…『結婚問題』考える 「結婚したい・できない・しない」未婚の男女5人に聞いた“本音” 『婚活』生んだ教授「少子化対策はすでに敗北」と断言、そして“今すべきこと”提言

■「婚活」「パラサイト・シングル」などの生みの親・山田昌弘教授 「少子化対策すでに敗北 試合終了のゴングは鳴った…」

「少子化対策すでに敗北」

“なんで結婚する人が増えないのか?”、「婚活」や「パラサイト・シングル」などの言葉の生みの親で、家族社会学が専門の中央大学・山田昌弘教授に話を聞きました。山田教授は少子化問題について、「少子化対策すでに敗北 試合終了のゴングは鳴った…」とみています。衝撃的な言葉です。

【中央大学 山田昌弘教授】
「少子化が初めて話題になったのが1990年なんです。1992年には当時の経済企画庁が国民生活白書で『少子化対策をしなければ今後社会は大変だ』と言っていたのにも関わらず、結果的に30年間放置してしまったということなんです。2010年代までに、つまり1970年代前半生まれのいわゆる“団塊ジュニア”たちが40歳を超えるまでに本格的な対策を打っていれば、ここまで少子化にならなかったんじゃないかなと思っています」
「すでに大変な状況なんですけれども、何もやらなければもっともっと悪くなるはずで、大きく 対策を打ってもらって、多少なりとも回復していただかないと日本社会は大変なことになると思います」

「結婚は“経済問題”。非正規雇用が増えているなかで対策を打ってこなかった」

結婚する人が増えていない現状を、どうにかしないといけないですよね?

【中央大学 山田昌弘教授】
「結婚というのは、まず好きな人と一緒に暮らすというのもありますけれど、やっぱり結婚して2人の生活を始めるわけですから“経済問題”なんです。非正規雇用など経済的に不安定な人たちが結婚できないというのは、もう30年前から言われてきたことです。現実には若者の間で非正規雇用や、フリーランス、アルバイトで生活する人が増えてきてしまった。その対策を打ってなかったことが、大きな失敗の原因なんです」

「昔も若い人は給料が少なかったんですけれども、ほとんどの人が正社員だったので、将来どんどん上がっていく期待が持てたわけです。でも今は、ずっと少ないままかもしれないし、いつ仕事がなくなるかもしれない。社会保障においても育児休業とかあるのは基本正社員だけなんです。『男性育休』といっても、非正規雇用の人は取れないですよね。収入的にも補填されませんし、社会保障においても大きな差があるんです」

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