「非正規の女性」が婚活で直面するつらすぎる現実

恵さんは冒頭の婚活相談後、職場に正社員登用に応募したい旨を伝えました。その後、面接も無事に突破し、2020年春から店長候補の正社員として兵庫県で働くことが決まります。

正社員になった7日後、新型コロナ感染症拡大のため緊急事態宣言が出て、赴任先の店舗は休業になりました。しかしその休業中の時間も無駄にはせず、労務管理などの勉強をしながら、マッチングアプリに登録して恋人探しをスタートさせました。

5人ほどの男性と知り合い、デート。その年の夏頃にのちに結婚することになる1歳年下の男性とマッチングして、2020年末頃から交際が始まります。

しかし、彼氏ができて4カ月後に北陸の店舗に店長として赴任することが決まり、遠距離恋愛になってしまいました。

ここから結婚のために外堀を固める作戦を立てていきました。まずは、上司に結婚を考えている人が兵庫県にいることを伝えます。親にも紹介したい人がいることを伝え、連休には彼を愛知の実家に連れていきました。

そのかいもあってか、翌年に日帰りで会いに行ける大阪勤務になります。無事にプロポーズされて入籍し、現在は転勤がない地域社員の店長として働きながら妊活も視野に入れているそうです。

「入籍の報告をしたときに、今後も私生活のことも相談していいか上司に確認したら、『勝手に辞められるほうが困るから、何でも相談してほしい』と言われました。アルバイト時代は会社にプライベートのことを相談する発想はなかったです。転勤は不安でしたが、正社員は人事異動も考慮してもらえるのだと知りました」

今でもさまざまな研修を受けるたびに、正社員とアルバイトの教育機会の差を感じるそうです。

ファーストキャリアで「結婚のしやすさ」に差が出る

フリーターでも彼氏はできるし、むしろ将来の生活が不安だから結婚したいのだと考える人もいるかもしれません。

しかし、生活基盤を整えてから恋活・婚活するほうがずっとスムーズにいくのです。恵さんの場合は社員登用制度があったので、なおさらキャリアアップの優先をおすすめしました。たとえ結婚したとしても離婚することが珍しくない今、結婚で生活を安定させようとするほうがハイリスクな選択だと思います。

また、女性も新卒で正社員になったか否かで婚姻状態に大きく差が出ます。

(筆者作成)

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