「推し活」で充実の毎日。恋人が欲しくなくても婚活した方がいい?

「彼氏欲しいと思わなくなった。」 と題する女性からの投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。数年前よりアーティストの推し活をしながら恋活や婚活を頑張ってきた、というトピ主さん。しかし今は、推しのために頑張れることができて、とても充実しており、気が付くと彼氏が欲しいとも思わなくなったといいます。とは言うものの、「年齢のことや周りを見て焦るべきではないか」と思うこともあり、「再び出会いを求めてまた(恋活や婚活を)頑張るべきでしょうか?」と問いかけています。

「推し活」と「恋愛」は、何が違う?

写真はイメージです

最初は寂しく焦っていたけれど、だんだんと好きなことに夢中になっていった、というトピ主さん。彼氏がいる人をうらやましいと思うときはたまにあるものの、今は「彼氏がいなくても楽しいと思えるのは生まれて初めて」というくらい、推し活に夢中になっているそうです。

まずは、推し活と恋愛の違いについて考えてみましょう。推し活が恋愛と根本的に違う点は、「こちらが好きになりさえすれば始められる関係であること」、そして「こちらが一方的に好意を抱いている関係であること」の2点になるかと思います。

気持ちの深度に差はあったとしても、恋愛は双方が少なからず好意や恋愛感情を抱くことで初めてスタートする関係ですよね。一方、推し活はこちらが好きになりさえすれば、すぐに関係を始めることができます。ファンの一人として相手がこちらの存在を認識してくれることもありますが、基本的にこちらに対する恋愛感情を持っていない前提での関係となります。

「自分が関わりたいときに関わりを持てる」という点では、恋愛より自由でストレスがない関係、という見方もできます。相手の好意や関心を得るための努力をしてもしなくても関係は維持できますし、予定を合わせるかどうかもすべて自分次第。それでいて推しはエンターテインメントのプロとして、お金を対価にこちらをさまざまに楽しませたり、感動させたりしてくれます。

ただし推し活では、人を好きになる経験はできても、自分に向けられた感情を受け止めたり、相手と歩調を合わせて生活したりする経験はできません。恋愛のように、心身ともに親密に触れ合えたり、いざというときにそばにいて助けてくれたり、といったことも望めません。「精神的に満たしてくれる存在や、恋愛感情を向ける対象がいれば満足」ということであれば、推し活で十分ということになりますが、「1対1の関わりを持ちたい」「人生を一緒に過ごせるパートナーが欲しい」「自分の家族を作りたい」などと思うならば、推し活では十分ではない、ということになるでしょう。

「恋愛に振り回されるのはこりごり」という思いもあるのかも

恋する気持ちは生きるエネルギーにもなりえる、すばらしい感情ですよね。しかし、現実の恋愛は、自分の生活や人生計画を一変させる可能性もある、不安定で不確定なものでもあります。いつ恋に落ちるかは予測できませんし、深く傷ついたり、ストレスになったりするリスクもはらみます。関係を続けていくためには、時に相手の感情を受け止めたり、予定や都合や生活リズムを合わせたりすることも必要です。

その点、推し活は生きるエネルギーや感動、喜びをもらえるものの、基本的に自分の考えやペースで関われるので、「心身や生活の負担になるような関係や、人生を変えるほどの出会いは求めていない」という人にとっては、理想的な関係になりえます。

「恋愛体質で自分に自信がないため、いい感じの人が出来てもうまくいかず、1~2年間くらい独り身」というトピ主さん。もしかしたら今は、うまくいかない恋愛に疲れてしまっており、その実、異性との深い関わりは求めていないのかもしれません。もしこの先、過去の恋愛で負った傷や疲れが癒やされ、再び「自分の人生を共に歩めるパートナーがいてほしい」と思う日が来るならば、「推しだけでは十分でない」という心境に変わることもあるのかなと思いました。

意義を見いだせないと、婚活は頑張れないかも

トピ主さんは、普段の生活の中でまったく異性との出会いがなく、紹介もないので、マッチングアプリを利用したりパーティーに参加したりしないと男性との関わりがない環境とのこと。「出会いを求めてまた頑張るべきでしょうか?」とのことですが、“べき”というスタンスで頑張れるかどうかは、トピ主さんの考え方次第でしょう。

結婚を「果たすべき義務」や「自分の人生に絶対に必要なもの」くらいに思えるならば、高校や大学受験、就職活動などのように「やりたくないけど、やらなきゃ仕方ない」という気持ちで頑張れるかもしれません。恋心と現実の人生(生活)を切り分けて「結婚」を考えられるならば、別物として両立させる道もあるでしょう。

しかし「結婚が絶対に必要なものとまで思えない」「結婚にも恋愛感情はマスト」などと思うのであれば、今の状態で取り組んでも、途中で頑張る意義を見いだせなくなったり、チャンスがあったときにも決断やひと踏ん張りができず、思うような成果を出せなかったりする可能性を感じます。

もし今の推しが特別なのであれば、「やりきった」と思える区切りのタイミングや飽きを感じる瞬間が来たら、卒業して現実のパートナー探しに出かけよう――。そう決めておいたうえで、夢中になれる今を楽しむのも一つの選択かと思います。

あるいは、「いろいろな推しにハマることを繰り返しながら、私はパートナーがいてもいなくても幸せに生きていけそうだな」と思い始めているならば、それも一つの充実した生き方ではないでしょうか。恋愛や異性を追いかけて疲弊するより、「自分の人生を豊かにしよう」と生き生きと過ごすことで人生が全般的に好転していくケースもあるので、推し活をしている時期も、人付き合いや自分の世界を広げていく意識は大切にしておくのがおすすめです。

100人いれば100通りの正解があるテーマかと思いますが、「私はこうしよう」が決まるといいですね。応援しています。(フリーライター 外山ゆひら)

引用元:https://www.yomiuri.co.jp/otekomachi/20230915-OYT8T50065/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です