「家事が趣味」の女性と結婚したいのに、なかなか出会えません

「家事が趣味の女性と結婚したい」 と題する男性からの投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。30歳で公務員のトピ主さんは現在婚活をしていますが、「料理、掃除、洗濯、買い物など家事全般」をお願いできる女性になかなか出会えないことに悩んでいます。“専業主婦歓迎”で婚活しているものの、「時代遅れだの亭主関白だの言われて散々」とのこと。自ら進んで家事をする「家事が趣味」のような女性と出会うにはどうすればいいか、と問いかけています。

“絶対条件”ならば、第一優先にする必要があるのかも

写真はイメージです

「今の時代には厳しい条件ではないか」という数々の読者からの意見に対し、職場には妻が専業主婦である先輩がちらほらいる、富豪や色男でなくても別におかしい条件ではないと思っている……と反論しているトピ主さん。

確かに、今でも専業主婦の家庭はありますよね。しかしそれは結果論の場合もある、ということは加味しておく必要があるように思いました。「好きになった相手がたまたま専業主婦希望だった」「育児や家庭、職場の事情により、一時的に(やむをえず)専業主婦になった」など、最初から専業主婦になって家事全般をやってくれる相手とわかっていたから結婚を決めた、という男性ばかりではないはずです。

そしてトピ主さんの職場の先輩のなかには、「今後もし妻が働きたいと言い出したら、あるいは働かなければならない事情に変わったときには、自分もできる限りの家事は担うつもり」という考えの人もいるように思います。

また、後のトピ主さんの投稿には「私が良いと思う女性は、どういうわけか皆、専業主婦になりたがらない」「自身のキャリアや収入を断たれることが不満なようです」といった記述も。トピ主さんが良いと思う女性たちは、どうやら仕事を辞めて男性に養われたいと考えているタイプではないようですね。良いと思える女性の中からマッチしたいのであれば、「相手がこういう人だから、自分もできる限りこうしよう」「結婚にあたり、自分もこれから少しでも家事スキルを身に付けていこう」といった柔軟なスタンスになることが、多少なりとも必要な気がします。

家事全般を担ってくれることが絶対条件なのであれば、先に条件を絞って「専業主婦になって家事全般を担う気がある人」を第一優先にし、そこから良いと思う人を探す、という順番に変えたほうが、希望の相手に出会いやすくなるように思いました。

「〇〇好きな人」という希望はよくあるけれど…

婚活において、「〇〇好きな人」という希望を提示することはおかしなことではないと思います。しかし「旅行が好きな人」「アニメが趣味の人」といった条件と、「家事が好きな人」という条件では大きく違う点があります。前者は一緒に楽しめる類いのもので、後者は誰かが担わなくては家が回らない“労働”である、という点です。

投稿には「運動神経が良くスポーツ好きな女性」「読書が趣味で学ぶことが好きな女性」などと同様、条件によって変わることがない恒久的なものを求めているから「家事が趣味」という女性がいい……といった持論も展開されています。しかし、スポーツも読書も、自分の好きなときに自由にできてこそ“趣味”と呼べるのでは。毎日欠かさずやることを誰かに義務付けられる状況では、趣味だと思えていることも嫌になる瞬間が出てくる気がします。「家事は趣味」という相手と結婚したとして、「今日は疲れているからやらない」と言われたら、トピ主さんは許容できそうですか?

加えて「料理、掃除、洗濯、買い物など全般お願いしたい」という条件であることもハードルを上げているように思いました。「料理が趣味」「洗濯が得意」「きれい好き」という人は一定数いると思いますが、「すべての家事が得意です、全部ひとりで喜んでやります」という人を探すとなると、かなり限られる気がします。

たとえばですが、「自分は料理がまったくできないので、料理好きな人とマッチしたい」「自分は片付けが下手なので、掃除好きな人だとうれしい」くらいの希望であれば、第一印象からネガティブなイメージを持たれることは少なくなるように思います。

投稿には「こちらからお願いして嫌々やってもらうのも面倒」といった記述もあり、家事はお願いや感謝をしてやってもらうものではない、つまりは「公務員の安定的な稼ぎと家事は交換条件だ、それが夫婦の平等な助け合いだ」といった考えをトピ主さんが持っている可能性が推測できます。もしそうした考えなのであれば、トピ主さんと同じく“性別役割分業意識”を持っている相手を探すことが必須になるかと思います。

「あなたがいい、と言ってくれる人のために頑張りたい」のが心情かも

最後に、男女問わず、多くの人の心には「あなたと(あなただから)結婚したい」と言われたい気持ちがあることも、今回のテーマにおいて見逃せないポイントだと思います。

「こういう属性の人だから」「これをやってくれるから」ではなく、「あなたがいい」と言ってくれる相手とパートナーになり、その家族のために、自分にできることは頑張りたい。そんな心境の人は少なくないと思います。家事が嫌いではない女性でも「主に労働力として期待されている」と感じたら、腰が引けてしまうことでしょう。

困ったときに助け合える関係や、多少の不完全さを許し合える関係でなければ、友人関係と同様、夫婦関係も長続きはしません。許容や共助の気持ちを少しでも持てる相手を探したほうが、トピ主さんにとっても良いことのように思います。

この先、家事好きな女性に出会えたとして、もしその人が「私がけがや病気で動けないときも、疲れている日も、彼は家事を手伝う気はないのかな」「パーフェクトな家事ができなければ批判されそうだ」などと感じていたら、その不安や懸念を 払拭ふっしょく できるような温かい言葉をかけられるかどうか。そんなところも分かれ目になる気がします。

収入と家事労働は等価交換という考えだとしても、夫婦はそれだけの関係ではないという前提に立ち(これは女性側にも言えることですが)、相手の心境も想像しながら活動してみると、婚活の様相にも変化が出てくるのではないかと思いました。応援しています。(フリーライター 外山ゆひら)

引用元:https://www.yomiuri.co.jp/otekomachi/20231005-OYT8T50006/

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