ブームから10年、婚活中の人にオススメできない「街コン」の幹事で見たカオス

もはや町おこしでも何でもない

 現在、都内の街コンの参加費は男性が5000~1万円、女性が無料~3000円程度。男女の賃金格差を反映しているというより、女性が集まらなければ話にならないからだろう。今回は男性の会費が7000円、女性が1000円だった。

 土曜日の15時半から受付開始。店内には80年代の洋楽ナンバーが流れる。ワンピースとイヤリングをつけたちょっとオシャレした女性、わりと普段着の男性が次々と来店する。

 幹事は入口で参加者に運転免許証やマイナカードを提示してもらい、年齢を確認。男性と女性が向かい合ってペアになるように座らせる。参加者は席に着くと会話のきっかけになるプロフィールカードに、名前・居住地・出身地・職業・年齢・趣味・休日の過ごし方などを記入する。

「ドリンクハ、飲ミ放題デス」

 オーダーを取りドリンクを運ぶのは、店の従業員のネパール人のお兄さん。

 ネパール料理が出てくるわけではなく、料理は唐揚げ・ポテトなどの簡単なつまみだけ。運営会社が利益優先で選んだ格安店なのだろう。

 高い会費を払っている男性からすると、「ボッタクリ」と言いたくなるような内容だ。実際、店や料理が粗悪で、参加者から苦情が寄せられる運営会社も多いらしい。

 ちなみに、運営会社が今回の店に払う金額は、参加者1人あたり2000円。店に飲食代を払い、幹事にバイト代を払えば、残りは運営会社の利益だ。全国各地で同時開催しているので、人さえ集まればけっこう儲かりそう。もはや「街コン」は町おこしでも何でもない。

「今日は皆さんに素敵な出会いがありますように、カンパーイ!」

 全員が揃うと幹事が音頭を取って乾杯。参加者はそれぞれ目の前の異性とプロフィールを交換して会話し、席替えの前にLINEを交換する。席替えは30分おきに行い、全員と話すチャンスを作る。

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