ブームから10年、婚活中の人にオススメできない「街コン」の幹事で見たカオス

「街コン事変」勃発

「へー、休日は映画鑑賞ですか。どんな映画が好きなんですか?」

 当たり障りのない会話を繰り広げる、初対面の男女。

 参加者は出会いの少ない地味なコが多いのかと思っていたが、20代グループはイケメンも可愛いコもいて、わちゃわちゃしている。「席替えでーす」と号令すると、男性が自分のグラスを持って、一斉に左の席にスライドする。幹事は担任の先生になったみたいで楽しい。

 ところが、壁を一枚隔てた30~40代グループは、どうも空気の流れがよくない。男性も女性も、好みの相手がいないらしくテンションが低い。明らかに無理に会話を続ける消化試合になっている。

 店と料理のショボさにも怒り心頭なのか。しかし、バイトの幹事にクレームを付けられても、平謝りする以外に解決策はない。

 サービス業の現場はアウトソーシングと非正規化が進んでいる。筆者も街コン運営会社とは、LINEのビデオ通話でマニュアルの説明を受けただけ。令和時代は責任の所在があいまいな仕事の、何と多いことか……。

 そんな30~40代で、事件は起こった。最後の席替えの後に、グリーンのロングワンピースを着たお姉さんが、酔っぱらいながらこう叫んだのだ。

「まあ私は今日、飲みに来ただけだから!」

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