(1)成婚期間がグッと短く…2週間は毎日電話、初めて会った日にプロポーズも

 コロナ禍に入って丸2年経った。生活様式や人との接触機会が減ったことで様変わりしたのが婚活市場だ。年間約1000件のカウンセリング実績を持つ結婚相談所「マリーミー」(東京)の植草美幸代表に聞いた。

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 コロナ禍で、出会いやデートはオンラインとなり、真剣交際からオフラインのやり取りが主流になった。先行き不安から、「早く家族を作りたい」と感じているためだ。

 条件も大幅に緩和しているという。たとえば女性側の「優しければ」「年収1千万円以上」といった抽象的で夢物語な条件はなくなり、「家事ができる人」「夫婦で年収800万円になればいい」と具体的かつ現実的になった。

■出会いから結婚までの期間が大幅に短縮された

「もともと結婚相談所では成婚期間は3カ月から半年が一般的でした。それがオンラインの併用となったことで、スケジュール調整も簡単になり、マッチングしたお相手と2週間で3回会って、対面で親と面会し成婚するケースが珍しくなくなりました。あるカップルは2週間、毎日、2時間ほど電話し、結婚を決めて、はじめて会ったその日にプロポーズに至っています。さらにオンラインですから、おうちデートのようにくつろいで話しができます。お店のように時間制限もないので、長い時間コミュニケーションが取れますし、部屋の雰囲気や冷蔵庫の中を見せ合ったり、生活の深い部分までさらけ出したりすることができるのです」(植草代表)

オンラインを経て→対面デート→親族顔合わせ

結婚相談所「マリーミー」の植草美幸代表(提供写真)

 男性はデート代の負担も軽減するため、1日3人とお見合いするなど効率化も図れる。

「リモート婚を望む方も増えました。デートがオンラインなので、遠距離の方とお見合いする機会が多くなった。岐阜と東京、茨城と大阪など、互いに拠点を持ちながら結婚生活を送るスタイルを選んだり、逆に出社が月1回や年数回に切り替わったので、中間地点に新居を構えたりしています。地域差の壁もなくなって選択肢が広がりました」(植草代表)

 今は2~3回のオンラインを経て、対面デート、親族顔合わせ(プロポーズ)の流れが主流となっているという。

「コロナ以前は『家事・育児ができる女性』が人気でしたが、最近は『経済的、精神的に自立していて頼りがいある女性』とリクエストがあります。彼らは『1人で生きていくのが不安だから、支え合える人が希望』と言い、必ずしも子どもを望まない方が増え、年齢の条件も緩和されているのです」(植草代表)

 コロナ禍で男性も生活に不安を抱えており、経済的にも物理的にも支えてくれる「頼れる女」をパートナーに求めている傾向が顕著だという。

 かつては要望が強かった20代の“若さ”ではなく、自立した40代、50代の「バリキャリ」と呼ばれる女性や、シングルマザーを求めるケースも増えているようだ。(つづく)

(取材・文=小野真依子/日刊ゲンダイ)

引用元:https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/303571

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